Gemini Proを契約していてもAntigravityでは高解像度の画像編集ができない
結論
Gemini Proの契約をしていても、AntigravityではNano Banana Proを使えない(まだ)
Antigravityでは高解像度の画像生成・編集モデル「Nano Banana Pro」が段階的に展開中であり、現時点ではほとんどのユーザーが旧モデル「Nano Banana(Gemini 2.5 Flash Image)」を使っている状態。そのため、画像編集時に解像度が最大1024×1024に制限される。
経緯
前回の記事でLoRA学習用データを作成した際、手作業でやってられないのでAntigravityで画像生成・編集を実行した。
「Nano Banana Proが使えるようになったって読んだし、なんとかなるだろう」と思っていたのだが、生成した画像の解像度を上げようとしたり、画像を補完させようとしたところ、逆に解像度が下がってしまった。
「おかしい。Nano Banana Proなら2Kで出力されるはずなのに」と調べてみた結果が本記事の内容。
実際の例
元画像(1566×1566px)をAntigravityに投げて、下半身を補完させた結果:
入力画像(1566×1566px):

出力画像(1024×1024px):

元より小さくなっている。これでは使い物にならない。
Gemini画像編集モデルの仕様
Geminiの画像生成・編集機能には2つのモデルがある:
| モデル | 正式名称 | 最大解像度 |
|---|---|---|
| Nano Banana | Gemini 2.5 Flash Image | 1024×1024 |
| Nano Banana Pro | Gemini 3 Pro Image | 2048×2048 |
無料版やAPI経由のデフォルトではNano Banana(Flash版)が使われ、元画像がどんなに大きくても1024×1024にダウンサイズされてから処理される。
「高精細で出力して」といったプロンプトを入れても、モデル側の出力上限を超えることはできない。
なぜAntigravityではNano Banana Proが使えないのか
Antigravity公式ブログによると:
Nano Banana Pro は、Google Antigravity ユーザーに段階的に展開されています。まだアクセス権限を取得していない場合、AI アシスタントは画像生成時に初代 Nano Banana モデルを引き続き使用します。
つまり:
- Gemini Proのサブスクリプションとは別枠の権限管理
- gemini.google.comでNano Banana Pro(2K出力)が使えても、Antigravityでは使えない可能性がある
- Antigravityに「Nano Banana Proを使って」と指示しても、モデル名を認識できないという報告もある
現時点での対処法
残念ながら、Antigravityで高解像度を維持したまま画像編集する方法は現時点で存在しない。
将来的にNano Banana Proのロールアウトが完了すれば改善される可能性はあるが、いつになるかは不明。
どうしても高解像度が必要な場合
Antigravityを経由せず、直接APIを叩く方法がある。
Google AI StudioでAPIキーを取得し、gemini-2.0-flash-expモデルを直接呼び出すことで、Antigravityの制限を回避できる。詳しい手順はZennの解説記事が参考になる。
ただし、スクリプトを書く必要があるため手軽さは失われる。gemini.google.comで直接編集するか、別のツールを使う方が現実的かもしれない。