ModelScopeのAPI-Inferenceで一覧に無い画像モデルまで動いた
目次

ModelScopeのAPI-Inference(LLMはOpenAI互換)は、Qwen3.7 Plusのfunction callingを試したときから校正やエージェントの実験に使っている。
手元のアカウントでは9月に入って、月ごとのコール数上限の表示が消え、Magicubeというコインの残高に変わっていた。
試しにいつものQwen3.8 Maxに1回投げてみた。
残高が0.5減った。
ほかのモデルがどうかは分からないので、何を1回叩くと何コイン減るのかを先に測ることにした。
ついでに、一覧APIに出てくるチャットモデル以外に何が叩けるのかも、この機会に一通り叩いた。
検証環境
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| クライアント | Apple M1 Max / 64GB / macOS 26.5 |
| 接続 | ModelScope API-Inference(LLMはOpenAI互換、curl直叩き) |
| 認証 | ModelScopeのアクセストークン |
| 消費の確認 | ModelScopeのMagicube残高をブラウザで目視 |
| 実施日 | 2026年9月4日 |
推論は全部API側で走るのでローカルのマシンは関係なくて、コインの減り方は1回叩くたびにブラウザで残高を確認して記録した。
レスポンスヘッダーに残高は載っていなかった。
Magicubeの仕組み
単価や付与の規則は、公式ドキュメントのAPI-Inference Usage LimitsとMagicube Rewards Programに書いてある。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 単価 | 軽量モデル約0.5、標準約1、フラッグシップ約2(1コールあたり) |
| 毎日の付与 | ログインで200、Alibaba Cloud連携済みならさらに50 |
| 短期Magicube | 発行から24時間で失効 |
| 長期Magicube | 90日で失効。メール認証やプロフィール記入などで一度だけもらえる |
| 失敗時 | システムエラーで失敗したタスクは全額返金 |
| 対象 | LLM、マルチモーダル、画像生成(text-to-image)の3種 |
| 前提条件 | メール認証済みのプロフィール。API利用にはAlibaba Cloud連携と実名認証 |
毎日もらえる分は当日かぎりで、翌日には繰り越されない。
一覧APIと実際に動くもののずれ
/v1/models を叩くと49件返ってきた。
DeepSeek-V4-Pro、GLM-5.2、MiniMax-M3、Qwen3.5とQwen3.8の各サイズ、Qwen3-Embeddingの3サイズ、など。
画像モデルは Qwen/Qwen-Image-Edit の1件しか載っていない。
載っているうち、DeepSeek-V4-Pro、GLM-5.2、MiniMax-M1-80k、Qwen3.5-397B-A17B、Qwen3-Embeddingの3サイズは、そのまま動いた。
ところが、載っていない Qwen/Qwen-Image を画像生成のエンドポイントに投げたら普通に動いた。
一方、載っている MiniMax/MiniMax-M3 はチャットに投げると「no provider supported」で弾かれた。
公式ドキュメントの Usage Limits によると、対応モデルはモデルページ右側に利用の入口とコード例が表示される。
実際に Qwen-Image-2512 のページを開くと、確かに書いてある。

今回ページを開いた Wan2.1-T2V-1.3B、Qwen3-ASR-1.7B、Qwen3-TTS には、このパネルが無かった。
画像生成
公式ドキュメントに載っている画像生成の手順は、POST /v1/images/generations にモデル名とプロンプトを送り、非同期モードのヘッダーを付けてタスクIDを受け取り、GET /v1/tasks/<id> でポーリング(一定間隔で結果を取りに行く)する。
curl -H "Authorization: Bearer $MODELSCOPE_TOKEN" \
-H "Content-Type: application/json" \
-H "X-ModelScope-Async-Mode: true" \
"$BASE_URL/images/generations" \
-d '{"model":"Qwen/Qwen-Image","prompt":"a red apple on a white table"}'
# => {"task_status":"SUCCEED","task_id":"..."}
curl -H "Authorization: Bearer $MODELSCOPE_TOKEN" \
-H "X-ModelScope-Task-Type: image_generation" \
"$BASE_URL/tasks/<task_id>"
# => {"task_status":"SUCCEED","output_images":["https://...png"]}
Qwen-Imageの生成・編集4モデル
Qwen/Qwen-Image というIDは、ModelScope上の2025年8月公開の初代リポジトリに対応している。
新しい版は別IDなので、2512と、編集モデルの初代と2511も同じエンドポイントに投げた。
編集は、初代Qwen-Imageで出した赤い林檎の画像を入力にして「緑の林檎に変えろ」と指示した。
| モデルID | 指示 | 結果 |
|---|---|---|
| Qwen/Qwen-Image | 白いテーブルの赤い林檎 | 写真調で問題なく出た |
| Qwen/Qwen-Image-2512 | 同上 | 出た。林檎に寄った構図 |
| Qwen/Qwen-Image-Edit | 林檎を緑に | 構図は保ったが林檎は赤いまま。全体がやや滲んだ |
| Qwen/Qwen-Image-Edit-2511 | 林檎を緑に | 林檎が緑になり、構図も保たれた |
画像は表の順に、初代Qwen-Image、Qwen-Image-2512、初代Edit、Edit-2511の出力。




初代Editは入力画像を使ってはいるが指示が通っていない。
1回試しただけだが、2511との差は1枚で出た。
ついでに、image_url を付けずにEditモデルへ投げたらエラーにならなくて、入力画像なしの画像生成として普通に出た。
Qwen以外の画像モデル
過去の技術記事で扱ったモデルがModelScopeにもあるので、同じプロンプトで叩いた。
プロンプトは赤髪サイドポニーの白シャツ立ち絵、アニメ調。
| モデルID | 結果 |
|---|---|
| Tongyi-MAI/Z-Image-Turbo | 動いた。指定通り |
| Tongyi-MAI/Z-Image | 動いた。厚塗り風で横向き |
| krea-community/Krea-2-Turbo | 動いた。指定通り |
| MusePublic/FLUX.1-Kontext-Dev | 動いた。ポニーテールが後ろ寄り |
| MAILAND/majicflus_v1(公式ドキュメントの例) | 動いた。実写調 |
| ModelE/yumemono-illustrious-v-1-0(Illustrious-XLのLoRA) | 「submit failed with code: 40212」で不可。消費なし。画像なし |
画像は表の順に、Z-Image-Turbo、Z-Image、Krea-2-Turbo、FLUX.1-Kontext-Dev、majicflus_v1の出力。





弾かれた1件はモデル情報を確認したら Illustrious-XL の LoRA で、Illustrious-XL は SDXL アーキテクチャだった。
ドキュメントの解像度表に「SD series」の枠はあるが、この1件は通らなかった。
Krea-2-Turboは krea/Krea-2-Turbo のIDでは存在せず、krea-community/Krea-2-Turbo が正しかった。
LoRAのリポジトリIDをmodelに直接指定
「Anima」で検索して出てきたコミュニティのリポジトリを4つ確認したが、モデル情報のタグは全部LoRAだった。
ベースはKrea-2-Turbo、Qwen-Image-Edit-2511、Z-Imageのどれかで、検索結果にAnima本体は出てこなかった。
検索結果に出てきたIDをそのまま model に入れて投げたら通って、画像が返ってきた。
公式ドキュメントには別に loras というパラメータがあって、ModelScope上のLoRAを最大6個、重み合計1.0で当てられる。
プロンプトは前の節と同じで、seedは指定していない。
| リポジトリID | ベース | 結果 |
|---|---|---|
| Martis/Anima | Z-Image | Z-Image単体と同じ厚塗り風。座った姿で顔が崩れている |
| Devilworld/anima-krea2 | Krea-2-Turbo | Krea-2-Turbo単体とほぼ同じ絵 |
| Creolim/WenM-Anima | Krea-2-Turbo | こちらもKrea-2-Turbo単体とほぼ同じ絵 |
| Blueee/Anima.f | Qwen-Image-Edit-2511 | アニメ調の横向き、白背景 |
画像は表の順。




Krea-2-Turbo系の2件は、ベース単体とほぼ同じ絵が出た。
ここまでの画像は、どのモデルでも760x1280のPNGでAliyun OSS上のURLが返ってきて、消費は1タスク1コインだった。
埋め込み
/v1/embeddings は存在した。
最初の1回は encoding_format must be 'float' or 'base64', got '' で弾かれ、言われた通り encoding_format を付けたら通った。
curl -H "Authorization: Bearer $MODELSCOPE_TOKEN" \
-H "Content-Type: application/json" \
"$BASE_URL/embeddings" \
-d '{"model":"Qwen/Qwen3-Embedding-0.6B","input":"りんご","encoding_format":"float"}'
| モデルID | 結果 |
|---|---|
| Qwen/Qwen3-Embedding-0.6B | 動いた。1024次元 |
| Qwen/Qwen3-Embedding-4B | 動いた。2560次元 |
| Qwen/Qwen3-Embedding-8B | 動いた。4096次元 |
| BAAI/bge-m3、bge-large系 | 「Invalid model id」 |
| jinaai/jina-embeddings-v3、v4 | 「Invalid model id」 |
| intfloat/multilingual-e5-large | 「Invalid model id」 |
| Alibaba-NLP/gte系、iic/gte系 | 「Invalid model id」 |
| nomic-embed-text-v1.5、embeddinggemma-300m、all-MiniLM-L6-v2 | 「Invalid model id」 |
| Qwen/Qwen3-VL-Embedding-2B | 「Invalid model id」 |
試したIDのうち、一覧に出ていた3つが通った。
リランカー(検索結果の順位を付け直すモデル)は /v1/rerank、/v1/reranking、/v1/rerankers の3パスとも404。
消費は1コール1コインで、「Invalid model id」の400は減らなかった。
動画
/v1/videos/generations というパスは存在した。
404ではなく、アプリ側のJSONエラーが返ってきた。
| モデルID | 応答 |
|---|---|
| Wan-AI/Wan2.2-T2V-A14B | 「Invalid model provider」 |
| Wan-AI/Wan2.2-TI2V-5B、Wan2.5、Wan2.6 | 「Invalid model provider」 |
| Wan-AI/Wan2.1-T2V-1.3B | 「X-ModelScope-DataInspection is empty」 |
1.3Bだけ応答が変わり、X-ModelScope-DataInspection というヘッダーを要求された。
1回目は true を入れ、返ってきたエラーが真偽値を構造体に入れられないという内容だったので、2回目は空のオブジェクト {} にした。
| ヘッダーの値 | 応答 |
|---|---|
true | 「cannot unmarshal bool into Go value of type parameter.MuseCsiConfig」 |
{} | 「failed to call provider API」 |
動画は1本も出なかった。
公式ドキュメントの対象は「LLM、マルチモーダル、画像生成」で、動画は対象外だった。
動画生成はCivision側の機能で、Wan2.1-T2V-1.3Bのモデルページにも、APIのパネルではなく「Generate Now」のボタンだけがあった。
音声
/v1/audio/transcriptions、/v1/audio/speech、/v1/audio/generations、/v1/asr/generations、/v1/tts/generations、/v1/speech/recognition、/v1/audio/synthesis を試して、全部404だった。
nginxの素の404なので、ルート自体が無い。
チャット補完に音声を載せるOpenAI互換の形式(input_audio)も試した。
macOSの合成音声で日本語のWAVを作り、Qwen3-ASR-1.7B、SenseVoiceSmall、Qwen3-Omniに投げたが、3つとも「has no provider supported」。
Qwen3-TTSとCosyVoice2に modalities で音声出力を要求しても同じだった。
ASRとTTSのモデルページにもAPI-Inferenceのパネルは無い。
普段使っている割引モデルのQwen3.8 Maxに同じ音声を送ると200が返ったが、choices が null で本文が無く、それでも0.5減った。
大型LLM
一覧に載っていた他社のフラッグシップも1回ずつ叩いた。
「OKとだけ返せ」で max_tokens=8 にしたので、思考トークンで使い切って本文が空になったモデルもあるが、呼び出し自体はできていた。
| モデルID | 結果 | 消費 |
|---|---|---|
| deepseek-ai/DeepSeek-V4-Pro | 動いた | 2 |
| zai-org/GLM-5.2 | 動いた | 2 |
| Qwen/Qwen3.5-397B-A17B | 動いた | 2 |
| MiniMax/MiniMax-M1-80k | 動いた | 1 |
| MiniMax/MiniMax-M3 | 一覧にあるが「no provider supported」 | 0 |
| moonshotai/Kimi-K3、K2.6、K2.7-Code | 「no provider supported」 | 0 |
普段使っているQwen Ambassador名義の割引モデルは、同じコールで3.8 Maxが0.5、3.7 Plusが0.2。
Kimi-K3はModelScopeにリポジトリがあり、9月3日にも更新が入っていた。
取得したファイル一覧では .eval_results フォルダが一番新しく、コミットメッセージは評価結果の追加。
上位20件のうち重みの分割ファイルは7月28日のままだった。
実測した単価
| 呼び出し | 消費 |
|---|---|
| 公開フラッグシップLLM(DeepSeek-V4-Pro、GLM-5.2、Qwen3.5-397B) | 2 |
| MiniMax-M1-80k | 1 |
| Qwen Ambassador名義の割引モデル(Qwen3.8 Max / Qwen3.7 Plus) | 0.5 / 0.2 |
| 画像生成・編集(1タスク) | 1 |
| 埋め込み(1コール) | 1 |
| 400や404、動画の「failed to call provider API」 | 0 |
空応答(音声を無視されて choices が null の200) | 0.5(割引モデルの単価どおり) |
ちなみに Qwen/Qwen-Image のモデル情報は、modelscope.cn側の作成日が2025年8月2日、modelscope.ai側は2025年9月5日で、同じIDでもサイト間で1か月ずれていた。