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巨人監督になった松井秀喜の打撃を王貞治や歴代4番と比べてみた

いけさん目次

2026年10月23日、巨人が松井秀喜の監督就任を発表した。
背番号は、長嶋茂雄が監督1年目の1975年から6シーズン背負った「90」だ(時事通信、NHK)。

監督としての数字はまだ1試合分もなく、経歴ならWikipediaにまとまっている。
松井秀喜が好きなので、打者としての成績のほうを計算してみた。
対象は巨人での10年(1993〜2002年)とメジャーでの10年(2003〜2012年)で、どちらもその年のリーグ平均を基準にする。
比べる相手は、王貞治をはじめとする歴代の巨人の監督と、松井のあとに巨人の4番を打った打者だ。

検証環境とデータ

項目内容
OSWindows 11
Python3.12.11(uvで作った仮想環境)
ライブラリpandas 3.1.0、pybaseball 2.2.7、matplotlib 3.11.2

データはどれもPythonで取得し、pandasで集計した。

データ中身取得方法
日本プロ野球記録セ・リーグの年度別チーム打撃成績(四球・死球・犠飛を含む)と、規定打席到達者の打撃成績(1958〜2025年)年度別ページの表を取得
NPB公式サイト松井の巨人時代の年度別成績(併殺打を含む)個人ページの表を取得
Wikipedia「読売ジャイアンツ歴代4番打者一覧」年度ごとに最も多く4番で先発した打者記事の表を参照
MLB Stats APIメジャーの年度別成績、打撃と守備の評価指標(wRC+、WARとその内訳。意味はメジャーのWARの節で説明する)、場面別成績、ポストシーズン、ア・リーグのチーム成績statsapi.mlb.com のJSONを直接取得
Baseball Savant2008年以降の1球ごとのデータ(コース、球種、球速、スイングの有無、打球方向)pybaseballの statcast / statcast_batter

MLB Stats APIは認証なしでJSONを返すので、標準ライブラリだけで取れる。
たとえば2004年のwRC+とWARは次のように取り出せる(425686は松井の選手ID)。

import json, urllib.request

url = "https://statsapi.mlb.com/api/v1/people/425686/stats?stats=sabermetrics&group=hitting&season=2004"
stat = json.load(urllib.request.urlopen(url))["stats"][0]["splits"][0]["stat"]
print(round(stat["wRcPlus"]), round(stat["war"], 1))  # 140 3.0

リーグ全体の出塁率を出すには、リーグの四球・死球・犠飛の合計がいる。
最初にNPB公式サイトの年度別ページを開いたが、2004年以前のチーム打撃成績には四球が載っていなかった。
Wikipediaの年度別のチーム打撃成績のテンプレートには松井の時代の四球まで入っていたが、王の時代の1962年と1973年の分は空欄だった。
最終的に、1958年から2025年まで同じ形式で四球・死球・犠飛まで載っている日本プロ野球記録の表を使った。

メジャーの指標はFanGraphsやBaseball-Referenceの値がよく使われるが、どちらのサイトもスクリプトからのアクセスを403で拒否したので、MLB Stats APIが返す値を使った。
APIのwRC+とWARは2サイトの公表値と計算方法が違い、一致しない可能性がある。
今回はその2サイトとの突き合わせはしていない。

比べる指標はOPS+

時代もリーグも違う打者を並べるので、成績をその年のリーグ平均で割った値を使う。
使うのはOPS+で、出塁率と長打率をそれぞれリーグ平均で割って足し、1を引いてから100を掛ける。

OPS+=100×(出塁率リーグ出塁率+長打率リーグ長打率−1)\text{OPS+} = 100 \times \left( \frac{\text{出塁率}}{\text{リーグ出塁率}} + \frac{\text{長打率}}{\text{リーグ長打率}} - 1 \right)

リーグ平均の打者がちょうど100になり、200なら出塁率と長打率の両方がリーグ平均の1.5倍前後あることになる。

出塁率と長打率は、それぞれ次の式で計算する。
リーグの値は、セ・リーグ6球団のチーム打撃成績の安打や四球を全部足してから、同じ式に入れて出した。

指標計算式
出塁率(安打+四球+死球)÷(打数+四球+死球+犠飛)
長打率塁打÷打数

たとえば2002年の松井は出塁率.461、長打率.692で、この年のセ・リーグ全体は出塁率.313、長打率.394だった。
.461÷.313が約1.47、.692÷.394が約1.76なので、足して1を引くと約2.23になり、100を掛けてOPS+は約223になる。

Baseball-Referenceなどが公表している一般的なOPS+は、球場の打ちやすさの補正も加えた値だ。
この記事のOPS+はリーグ平均で割っただけのもので、補正を入れていないところが2つある。

補正していない点影響
球場の広さや打ちやすさ後楽園球場(王の時代)と東京ドーム(松井の時代)の差がそのまま数字に出る
投手の打席セ・リーグは投手も打席に入るので、リーグ平均が下がり、野手のOPS+は高めに出る。指名打者制のア・リーグで計算した値とは直接比べられない

セ・リーグの打者同士なら条件はほぼそろうので、王・松井・歴代の4番の比較にはこのまま使う。

巨人時代の松井

規定打席に到達した1994年から2002年までの松井を、セ・リーグの規定打席到達者の中での順位と並べた。
1993年は高卒1年目で、規定打席に達していない。
規定打席は首位打者などの打率系タイトルの対象になる打席数で、NPBでは「チームの試合数×3.1」になる。
順位はOPS+の高い順に付けていて、「/31人」の分母はその年に規定打席に到達したセ・リーグの打者の数だ。

年打席本塁打出塁率長打率OPS+セ・リーグ順位
199456920.368.4751348位/31人
199556922.363.4811319位/30人
199656938.401.6221742位/38人
199759637.419.5641692位/34人
199860334.421.5631751位/35人
199957342.416.6311783位/31人
200059042.438.6541981位/29人
200161136.463.6171952位/34人
200262350.461.6922231位/30人

1996年からの7年間は、OPS+がすべて169以上で、セ・リーグでの順位も3位以内だった。
最後の2002年は50本塁打でOPS+223と、巨人時代でいちばん高い。

王貞治と歴代の巨人の監督と比べる

1975年以降に就任した巨人の監督のうち、野手出身の5人(王貞治、長嶋茂雄、原辰徳、高橋由伸、阿部慎之助)の現役時代を同じOPS+で計算した。
同じ期間の監督でも、投手出身の藤田元司と堀内恒夫は入れていない。
監督の一覧はWikipediaの「読売ジャイアンツ」の歴代監督の表から取り、巨人に在籍してセ・リーグの規定打席に到達したシーズンだけを数えた。

打者監督就任規定打席到達最高OPS+(年)OPS+200以上OPS+170以上リーグ1位打席数で重み付けした平均
王貞治1984年21シーズン279(1973年)15回17回14回221
長嶋茂雄1975年17シーズン249(1961年)7回11回4回181
松井秀喜2026年10月発表9シーズン223(2002年)1回6回3回176
阿部慎之助2024年12シーズン206(2012年)1回2回2回146
原辰徳2002年12シーズン169(1986年)0回0回0回143
高橋由伸2016年8シーズン168(2007年)0回0回1回146

松井は最高値でも平均でも王と長嶋に次ぐ3番目で、王の監督時代(1984〜1988年)より後に就任した監督に限ると、松井を上回るのは1993年に再登板した長嶋だけになる。
現役時代の打撃で比べると、松井はON(王と長嶋の頭文字を取った呼び名)の2人以来の監督だ。

本塁打の数だけで比べると、順位は入れ替わる。
松井の巨人での本塁打は332本で、長嶋の444本、阿部の406本、原の382本より少ない。
巨人での在籍が10年だったためで、メジャーの175本を足した日米通算では507本になる。

王とは差が大きく、王はOPS+200以上のシーズンが15回あり、1964年から1974年までは11年連続でリーグ1位だった。
松井が200を超えたのは2002年の1回だけで、その223も、王が200を超えた15シーズンの中に入れると下から6番目になる。

同じ年齢どうしでも差があるのかを確かめるため、2人のOPS+を年齢別に並べてみた。
グラフの点線は、松井のメジャーでのOPS+をア・リーグ平均で計算したもので、500打席以上の年だけを載せている。
ア・リーグは指名打者制で投手が打席に入らないため、セ・リーグの値とは同じ高さで比べられない。

王貞治と松井秀喜のOPS+を年齢別に並べたグラフ。王は22歳から34歳まで200を超え、松井はセ・リーグでは28歳の223が最高、メジャーでは107〜136の範囲にある

松井がセ・リーグでの最高の223を出した28歳の時点でも、王は同じ年齢で251と上回っている。

松井のあとの巨人の4番

松井がメジャーへ移った2003年以降、各年で最も多く4番で先発した打者のOPS+を出した。
どの試合で誰が4番を打ったかの打順データは集められなかったので、Wikipediaの一覧にある年度ごとの「最多4番」をそのまま使っている。
規定打席に達しなかった2003年(ペタジーニ)、2015・2016年(阿部)、2025年(岡本)は除いている。

巨人で最も多く4番に座った打者のOPS+。2000〜2002年の松井が198、195、223で、2003年以降の最高は2012年の阿部の206
年打者打席本塁打出塁率長打率OPS+セ・リーグ順位
2000松井秀喜59042.438.6541981位/29人
2001松井秀喜61136.463.6171952位/34人
2002松井秀喜62350.461.6922231位/30人
2004高橋由伸47730.387.5801488位/38人
2005小久保裕紀59234.361.5231369位/34人
2006李承燁59241.389.6151773位/29人
2007李承燁58330.322.50112315位/34人
2008ラミレス60045.373.6171732位/33人
2009ラミレス60831.347.5441505位/29人
2010ラミレス60649.338.6131525位/31人
2011ラミレス51523.322.4531406位/24人
2012阿部慎之助55627.429.5652061位/24人
2013阿部慎之助52932.427.5641823位/21人
2014阿部慎之助52619.340.42511218位/27人
2017阿部慎之助51215.329.38910723位/28人
2018岡本和真61633.394.5411558位/31人
2019岡本和真62831.343.48513012位/30人
2020岡本和真50031.362.5451518位/27人
2021岡本和真59239.341.5301475位/32人
2022岡本和真58930.336.4691367位/27人
2023岡本和真58941.374.5841841位/27人
2024岡本和真61127.362.5011663位/24人

2003年から2024年までの19シーズンで、松井の2002年の223を超えた4番はいない。
松井が4番に固定された2000年の198を超えたのも2012年の阿部の206だけで、ほかの18シーズンはどれも松井の4番時代の3年(195〜223)より低い。

2010年のラミレスは49本塁打を打っているが、出塁率は.338で、OPS+は152だった。
本塁打の数が近くても四球の多さで差がつき、2002年の松井は四球が114個で、出塁率は.461だった。

NPBとMLBで打席あたりの割合を比べる

巨人での最後の4年(1999〜2002年)と、ヤンキースでの5年(2003〜2007年)を、打席あたりの割合で比べた。
NPBの数字はNPB公式サイト、MLBの数字はMLB Stats APIの年度別成績から計算している。
平均を出すときは、NPBは4年すべて、MLBは出場が201打席と少ない2006年を除いた4年を使う。
本塁打率・四球率・三振率は、それぞれの数を打席数で割った値だ。
ISOは長打率から打率を引いた値で、単打を除いた長打力だけを表す。

リーグ年打席本塁打率四球率三振率ISO出塁率併殺打
NPB19995737.3%16.2%17.3%.327.4163
NPB20005907.1%18.0%18.3%.338.4381
NPB20016115.9%19.6%15.7%.284.4639
NPB20026238.0%18.3%16.7%.358.4614
MLB20036952.3%9.1%12.4%.148.35325
MLB20046804.6%12.9%15.1%.224.39011
MLB20057043.3%8.9%11.1%.191.36716
MLB20062014.0%13.4%11.4%.192.3936
MLB20076343.9%11.5%11.5%.203.3679

NPBの4年平均とMLBの4年平均を比べると、本塁打率は7.1%から3.5%、四球率は18.0%から10.6%で、どちらもほぼ半分になった。
ISOも.327から.192まで下がっている。
一方で三振率は17.0%から12.5%に下がった。
長打と四球が減ったのに三振も減っているので、メジャーでは空振りを減らしてボールに当てる打ち方をしていたようだ。

2002年に4本だった併殺打は、2003年に25本まで増えた。
この年はアウトになった打球がゴロに偏っていて、ゴロでアウトになった数をフライやライナーでアウトになった数で割った値(GO/AO)が1.66と、メジャーの10年間でいちばん高い。
翌2004年にはこれが0.91まで下がり、本塁打も16本から31本に増えている。

ア・リーグ平均で計算したOPS+は、2003年が107、2004年が136だった。
規定打席に到達した7シーズンでは、最も低い2011年が92、最も高い2004年が136になる。

メジャーでのwRC+とWARの内訳

メジャーでの評価には、MLB Stats APIが返すwRC+とWARを使う。

指標意味
wOBA四球、単打、二塁打、本塁打などに、得点への貢献の大きさに応じた重みを付けて合計した値で、OPSより得点との対応がよい
wRC+打撃で生み出した得点を、リーグ平均を100として表したもの。140ならリーグ平均の打者より4割多く得点を生んでいる
WARその選手の代わりに控えレベルの選手(代替選手)を出した場合と比べて、何勝分多くチームに上積みしたか

MLB Stats APIはWARの内訳も返す。
打撃(batting)、守備(fielding)、走塁(baseRunning)、ポジション補正(positional)の4つは、どれも平均的な選手との差を得点で表した値だ。
この4つに、リーグ補正(wLeague)と代替選手との差の分(replacement)を足し、1勝に必要な得点数で割るとWARになる。

ポジション補正は、守るポジションの難しさの差を埋めるための点数で、遊撃手や捕手はプラス、一塁手や左翼手はマイナスになる。
守備に就かない指名打者(DH)がいちばん大きく引かれる。

年度ごとのwRC+とWARを、規定打席に到達したア・リーグの打者の中での順位と並べた。
2006年は51試合、2008年は93試合、2012年は34試合の出場で、規定打席に達していない。

年球団打席wRC+wRC+のAL順位WARWARのAL順位
2003ヤンキース69510944位/85人0.275位/85人
2004ヤンキース6801408位/77人3.043位/77人
2005ヤンキース70412816位/82人2.539位/82人
2006ヤンキース201130-0.7-
2007ヤンキース63412419位/82人2.935位/82人
2008ヤンキース378112-0.8-
2009ヤンキース52812719位/75人2.445位/75人
2010エンゼルス55812617位/73人1.550位/73人
2011アスレチックス5859357位/76人0.265位/76人
2012レイズ10320--1.0-

2004年はwRC+がア・リーグ8位なのに、WARでは43位まで下がる。
2005年から2010年も同じで、wRC+は16〜19位に入るのに、WARは35〜50位だった。

WARで順位が下がる理由は、内訳を年度別に積み上げるとわかる。

松井秀喜の年度別WAR内訳。打撃が上、守備とポジション補正が下に伸びる

10年分の内訳を合計した。

内訳10年合計(得点)
打撃+120.3
守備-79.4
ポジション補正-79.1
走塁-1.4
リーグ補正+19.4
代替選手との差+154.2

守備とポジション補正を合わせると-158.5点で、打撃で稼いだ+120.3点を上回っている。
それでもWARが13.2勝とプラスに残るのは、代替選手との差の+154.2点とリーグ補正の+19.4点が足されるからだ。
代替選手との差は出場した打席数に比例して足される点で、695打席に立った2003年は+21.5点、103打席だった2012年は+3.0点になっている。
10年分の5066打席で、これが合計+154.2点になった。

外野を守っていた2003〜2005年は、守備だけで毎年15〜22点を失っている。
2003年の守備-22.2点は、メジャー全体で規定打席に到達した166人の中で最下位だった。
2009年からはほぼDHになり、守備のマイナスはほとんど消えた。
その代わりにポジション補正のマイナスが年に-13点前後まで大きくなり、打撃で稼いだ点の大部分はそのマイナスで消えた。

2008年以降のスイングの中身

2008年以降は、1球ごとのデータからスイングの中身を調べられる。
2014年までのコースや球速は、球場に置いたカメラで投球を追うPITCHf/xという仕組みで計測されたもので、2015年からのStatcastとは計測方式が違う。
Baseball Savantがストライクゾーンを9分割した zone の1〜9をゾーン内、それ以外をゾーン外として集計し、同じ年の左打者全体の平均と比べた。
リーグ全体のデータは各年およそ70万球あり、バントは除いている。

表のゾーン外スイング率は、ストライクゾーンを外れた球に手を出した割合で、コンタクト率は、スイングしたうちバットに当たった割合だ。
空振り率(全投球)は投げられた球全体のうち空振りした割合で、右端の列は93マイル(約150キロ)以上の速球を振ったときに空振りした割合になる。

年対象ゾーン外スイング率コンタクト率空振り率(全投球)93mph以上の速球の空振り/スイング
2008松井25.1%86.6%5.8%8.6%
2008左打者平均28.0%81.7%8.1%14.8%
2009松井23.8%84.1%6.3%8.4%
2009左打者平均27.1%81.4%8.1%15.1%
2010松井20.2%84.5%6.1%15.4%
2010左打者平均27.5%81.1%8.2%15.0%
2011松井24.3%85.4%5.9%9.1%
2011左打者平均28.4%81.2%8.4%15.3%

4年とも、ゾーン外の球を振る割合は左打者平均より3〜7ポイント低く、振ったときにバットに当てる割合は3〜5ポイント高い。
34〜37歳の時期でも、ボール球を見送り、振ればバットに当てる打者だった。

93マイル以上の速球に対しては、空振りがスイングの8〜9%で、左打者平均の約15%の6割程度だった。
例外は2010年で、この年だけ平均並みの15.4%に上がっている。
松井が1年に対戦した93マイル以上の速球は300〜450球ほどで、スイングはその半分以下になる。
1年ごとの差は誤差の範囲かもしれない。

打球の方向

打球の方向も同じデータから、Baseball Savantの打球座標を使って本塁からの角度を出した。
左打者なので、一塁側へ15度以上ずれた打球を引っ張りとした。
この時代の打球の種類(ゴロ・ライナー・フライ)は、記録員が目視で分類したものだ。

年対象ゴロの引っ張り率フライの引っ張り率打球に占めるゴロの割合
2008松井65.1%25.0%47.6%
2008左打者平均56.7%25.0%45.6%
2009松井67.9%31.9%38.9%
2009左打者平均57.0%25.8%45.5%
2010松井67.1%31.4%41.0%
2010左打者平均58.6%25.2%45.9%
2011松井56.7%31.8%42.8%
2011左打者平均59.3%26.5%46.1%

2008〜2010年は、ゴロの3分の2が一塁側へ飛んでいて、左打者平均より8〜11ポイント多い。

28本塁打を打った2009年は、打球に占めるゴロの割合が38.9%まで下がり、左打者平均より6.6ポイント少なかった。
この年のISOは.235で、メジャーの10年間でいちばん高い。
ゴロが減ってフライの引っ張りが増えた年に、長打も増えている。

wRC+が93に下がった2011年は、ゴロの引っ張り率が56.7%で、初めて左打者平均を下回った。

対左投手、得点圏、ポストシーズン

メジャーでの場面別の成績を、MLB Stats APIの場面別データ(statSplits)から10年分合算した。

場面打席打率出塁率長打率OPS本塁打
全体5066.282.360.462.822175
対右投手3534.281.367.464.831119
対左投手1532.284.345.457.80256
得点圏1493.294.379.472.85146
ポストシーズン通算235.312.391.541.93310
2009年ワールドシリーズ14.615.6431.3852.0273

対左のOPSは対右より.029低いだけで、打率だけなら対左のほうが高い。

ポストシーズンでは通算235打席でOPS .933だった。
レギュラーシーズン通算の.822より1割以上高い。
日本人で初めてMVPを取った2009年のワールドシリーズは、6試合で13打数8安打、3本塁打、8打点だった。

メジャーの日本人野手と並べる

同じMLB Stats APIの値で、メジャーでプレーした日本人野手の通算を並べた。
選手ごとに people/{選手ID}/stats?stats=sabermetrics を年度別に取得し、在籍した年を合計している。
1000打席以上の選手に絞り、打撃の得点を600打席あたりに直して比べている。
2026年の数字は、取得した2026年10月24日時点の値だ。
大谷翔平のWARは打者としての分だけで、投手としての分は入っていない。

選手期間打席打撃(得点)打撃/600打席守備(得点)WAR
大谷翔平2018〜20264947+317.2+38.50.039.6
鈴木誠也2022〜20262899+98.8+20.4+6.915.7
松井秀喜2003〜20125066+120.3+14.2-79.413.2
吉田正尚2023〜20261503+16.9+6.7-11.02.0
青木宣親2012〜20173044+17.4+3.4+13.310.8
イチロー2001〜201910734+54.0+3.0+158.959.8
福留孝介2008〜20122276+2.8+0.7-20.63.8
城島健司2006〜20091722-18.9-6.6+11.03.4
岩村明憲2007〜20101755-20.8-7.1-22.73.2
田口壮2002〜20091524-21.1-8.3-0.23.0
井口資仁2005〜20082079-32.1-9.3-6.58.2
松井稼頭央2004〜20102555-66.9-15.7-6.55.7

打撃の得点の通算では、松井の+120.3は大谷に次ぐ2番目になる。
600打席あたりでは大谷と鈴木誠也が上にいる。

イチローと並べると、打撃と守備のどちらで点を稼いだかが正反対だ。
イチローは打撃が600打席あたり+3.0とほぼ平均で、守備の+158.9がWAR 59.8の大きな部分を占める。
打席数も10734と松井の2倍以上あり、そのぶん代替選手との差の分も大きくなる。
松井は打撃で+120点を稼ぎ、その大半が守備とポジション補正で差し引かれている。