UI UX Pro Max Skill:AIのUI生成を改善するスキルを過去記事と比較してみた
GitHubで「UI UX Pro Max Skill」というClaude Code向けスキルを見つけた。AIがUI/UXを作る際のガイダンスを提供するもので、以前書いた記事と比較すると面白い違いがあったのでまとめる。
UI UX Pro Max Skillとは
Claude Code、Cursor、Windsurf等のAIコーディングアシスタント用のスキル(プラグイン)。「美容スパのランディングページを作って」と依頼すると、業界に応じた最適なスタイル・色・フォント・レイアウトを自動推論してくれる。
内蔵データベース:
- 67種類のUIスタイル(Glassmorphism、Neumorphism、Brutalism等)
- 96種類のカラーパレット(業界別)
- 57種類のフォントペアリング
- 100の業界別推論ルール(SaaS、医療、Eコマース等)
- 25種類のチャートタイプ推奨
- 99のUXガイドライン
例えば「美容スパ」と入力すると、こんな感じでデザインシステムが生成される:
- スタイル: Soft UI Evolution
- カラー: Soft Pink + Sage Green + Gold
- フォント: Cormorant Garamond / Montserrat
- Anti-patterns: Bright neon colors, Harsh animations, AI purple/pink gradients
過去記事との比較
以前、AIのUI出力を改善する方法について2本の記事を書いた。
これらの記事とUI UX Pro Max Skillのアプローチを比較してみる。
| 観点 | 過去記事のアプローチ | UI UX Pro Max Skill |
|---|---|---|
| 方針決定 | 人間が決める(カラー3色、フォント、方向性) | AIが自動推論(業界から逆算) |
| 知識ベース | 外部リソース参照(Atlassian、UX心理学など) | 内蔵DB(67スタイル、96パレット、100ルール) |
| NGリスト | frontend-design SKILL.mdで定義 | 業界ごとのAnti-patternsとして定義 |
| 哲学 | 「意図を持って選ぶ」ことが重要 | 業界ベストプラクティスに収束 |
| AI依存度 | 補助輪、判断は人間 | 推論エンジンで自動化 |
アプローチの違い
過去記事: 人間が意図を持つ
過去記事では「AIっぽい量産型デザイン」からの脱却には人間の意図が必要と書いた。
具体的には:
- カラーは3色くらい決めておく
- フォントはNGリスト(Inter、Roboto、Space Grotesk)を避ける
- 背景アニメーションは謎の動くやつを入れてくることがあるので注意
frontend-design SKILL.md(Anthropic公式)の核心ルールは「コーディング前に美的方向性を決める」こと。ブルータリスト、レトロフューチャー、ミニマルなど「極端な方向性」を人間が選ぶ。
UI UX Pro Max Skill: 業界から自動推論
一方、UI UX Pro Max Skillは「業界を指定すれば最適解を出す」というアプローチ。
100の業界別推論ルールがあり、それぞれに:
- 推奨パターン(ランディングページ構造)
- スタイル優先度
- カラームード
- タイポグラフィムード
- Anti-patterns(やってはいけないこと)
が定義されている。「美容スパ」と言えば自動で「Soft UI + Sage Green + Cormorant Garamond」、「Fintech」なら「Trust & Authority + Dark Mode + 紫グラデーション禁止」みたいに決まる。
どちらが効くのか
UI UX Pro Max Skillの強み
- 判断力がなくても業界標準に乗せてくれる
- 「紫グラデーション on 白背景」のようなAIデフォルトは確実に避けられる
- データベースが充実している(67スタイル、96パレット)
UI UX Pro Max Skillの懸念
- 「AIデフォルトの量産型」は避けられるが、「その業界っぽい量産型」になる可能性
- 美容スパなら全部Soft UI、Fintechなら全部Trust & Authorityになりがち
- 「意図的な逸脱」ができない
過去記事アプローチの強み
- 人間が方向性を決めるので、独自性が出せる
- 「あえてFintechにBrutalism」みたいな選択ができる
- 外部リソース(Atlassian、UX心理学)で判断根拠が補強される
過去記事アプローチの懸念
- 判断力がないと結局AIデフォルトに戻る
- 外部リソースを読み込む手間がかかる
- 方向性を決めるのに時間がかかる
使い分け
結論として、こんな使い分けが良さそう:
UI UX Pro Max Skillが向いているケース:
- クライアントワークで「業界標準」を求められる
- デザイン判断に自信がない
- とにかく早くそれっぽいものを出したい
過去記事アプローチが向いているケース:
- 独自性・ブランド感を出したい
- デザインの方向性に明確な意図がある
- 「業界標準」から外れても構わない
両方使うのもあり。UI UX Pro Max Skillで土台を作って、frontend-design SKILL.mdで「あえて外す」方向性を足すとか。
試してみるか
正直、データベースの充実度はすごい。67スタイル、96パレット、100ルールは手作業で集めたら相当な労力。
ただ、過去記事で書いた「AIは補助輪であって、何を作るべきか・何がマズいかの判断は人間がやる」というスタンスは変わらない。このスキルも結局は「より良い補助輪」であって、最終判断は人間がやるべき。
時間があったら実際にインストールして比較検証してみたい。