技術
約4分で読めます
Claude CodeのUI出力を劇的に改善する3つのリソース
Claude CodeにUIを作らせると「AIっぽい量産型デザイン」になりがち。これを改善する3つのリソースがあるらしいのでメモ。
うち1つ(Atlassian Design System)は別の仕事で何回か使っていて、スケルトンやモックを見せるレベルなら効果を実感している。
逆に言うと、そのレベルを超えるとまだAIっぽさが抜けてない印象。
残り2つも組み合わせたらどうなるか試してみたい。
3つのリソース
- UX心理学 - https://www.shokasonjuku.com/ux-psychology
- frontend-design SKILL.md - https://github.com/anthropics/claude-code/blob/main/plugins/frontend-design/skills/frontend-design/SKILL.md
- Atlassian Design System - https://atlassian.design/
それぞれの役割
| リソース | 役割 | レイヤー |
|---|---|---|
| UX心理学 | 「なぜそうすべきか」の原則 | 設計思想 |
| frontend-design SKILL.md | 「何をやるな/やれ」の美的ルール | 表現方針 |
| Atlassian Design System | 「具体的にどう組むか」の実装パターン | 構造・余白・グリッド |
1. UX心理学
松下村塾株式会社がまとめたUXに影響を与える心理学・バイアスのコレクション。約50種類の心理効果が解説されている。
主なもの:
- 美的ユーザビリティ効果: 美しいUIは「使いやすい」と感じられる
- 認知負荷: ユーザーの精神的負担を減らす設計
- 決断疲れ: 選択肢が多すぎると合理的判断ができなくなる
- ドハティの閾値(0.4秒の壁): 0.4秒以上待たせると興味喪失
- 損失回避: 人は「得る」より「失う」を避けたがる
- ピーク・エンドの法則: 最高の瞬間と終わりの印象が評価を決める
- 段階的開示: 情報を一度に出さず、必要なときに出す
2. frontend-design SKILL.md
Claude Codeのフロントエンドデザインスキル。「AIっぽい量産型デザイン」を避けて独自性のある本格的なUIを作るためのガイドライン。
核心ルール
コーディング前に「美的方向性」を決める。ブルータリスト、レトロフューチャー、ミニマル、マキシマリスト、オーガニック、ラグジュアリーなど「極端な方向性」を選ぶ。
絶対やるな(NGリスト)
- Inter、Roboto、Arial、システムフォント
- 紫グラデーション on 白背景
- 予測可能なレイアウト・コンポーネント
- Space Grotesk(AIが収束しがちなフォント)
5つの美的原則
- タイポグラフィ: 個性的で美しいフォントを選ぶ(ディスプレイ+本文のペアリング)
- カラー&テーマ: CSS変数で一貫性、ライト/ダーク両方対応
- アニメーション: 高インパクトなモーメント(ページロードの段階的表示、ホバー演出など)
- レイアウト: 型破りな配置、非対称、意外性
- 背景: ベタ塗りではなく雰囲気と奥行きを出す
重要な姿勢: ミニマルでもマキシマルでも「意図」があればOK。大事なのは意図的であること。
3. Atlassian Design System
Atlassianのデザインシステムには以下が網羅されている:
- 余白設計
- グリッドシステム
- フォント運用
- 色・アイコン・イラスト・タイポグラフィの指針
URLを渡すだけで、細かい指示なしで改善点や提案までやってくれる。
組み合わせの効果
3つは競合せず、補完関係になる:
- Atlassian → 基本構造がしっかりする(余白、グリッド、コンポーネント配置)
- frontend-design SKILL.md → 「Atlassianっぽいのっぺり感」を崩す方向性を与える(個性的なフォント、意外なカラー、型破りなレイアウト)
- UX心理学 → 判断に迷ったとき「認知負荷下げろ」「0.4秒以内にフィードバック」みたいな根拠で決定できる
実際に起きること
- Atlassianだけだと「整ってるけど無個性」になりがち
- frontend-design SKILL.mdを足すと「ブルータリストで行く」「レトロフューチャーで行く」みたいな方向性が入って、Atlassianの骨格の上に個性が乗る
- UX心理学は「CTAボタンどこに置く?」「選択肢いくつにする?」みたいな判断のときに効く
使ってみた感想
結局、AIに丸投げせずに最低限決めておくべきことがある:
- カラー: サイトのカラーは3色くらい決めておく。これだけで紫グラデーションには収束しなくなる
- フォント: 自動生成だとウェブフォントに頼るしかないので、NGリストのフォントを避けるのは難しい面もある。契約しているウェブフォントがあれば指定するのもあり
- 背景アニメーション: よっぽどインタラクティブなサイトでない限り、グリグリ動く背景はうっとうしい。謎の動く背景を入れてくることがあるので注意
きれいなUIと使いやすいUIは別の話。見た目を整えるだけじゃなくて、使い勝手を考えるためにUX心理学が必要になる。
試してみる(TODO)
3つ全部CLAUDE.mdに入れて、何かUIを作らせてみる。