猫は平気なのに犬だと目がしょぼしょぼするのは何が違うのか調べた

昨日打ち合わせに行った先の家が猫を飼っていて、めっちゃ頭を擦り付けられた。
猫では特に何ともない。
ところが犬だと、ちょっと目がしょぼしょぼするというか、アレルギーか?と思うときがある。
猫と犬で何が違うのか、軽く調べた。
主な原因タンパク質は猫と犬で違う
動物アレルギーの原因は毛そのものではなく、毛やフケ、唾液に付いているタンパク質だ。 猫のFel d 1と犬のCan f 1・5は、名前も作られる場所も違う。
| 猫 | 犬 | |
|---|---|---|
| 主な原因タンパク質 | Fel d 1 | Can f 1、Can f 5 |
| 分類 | ウテログロビン | Can f 1はリポカリン、Can f 5は前立腺のカリクレイン |
| 作られる場所 | 皮脂腺、肛門腺、唾液腺 | Can f 1は皮脂腺、Can f 5は前立腺 |
| 付いている場所 | 毛、皮膚 | Can f 1は毛・フケ・唾液、Can f 5は未去勢のオスの尿・毛・フケ |
| アレルギーの人のうち反応する割合 | 最大95% | Can f 1が約半数、Can f 5はMattssonらの37人中26人(70%) |
ウテログロビン、リポカリン、カリクレインは、タンパク質のグループを示す分類名だ。
Fel d 1とCan f 1は、それぞれ猫(Felis domesticus)と犬(Canis familiaris)で1番目に見つかったアレルゲンを表す。
数字はThermo Fisherのアレルゲン事典の猫のフケ、Fel d 1、犬のフケ、Can f 1、Can f 5のページから取った。
猫のFel d 1
猫アレルギーの人の最大95%がFel d 1に反応する。 皮脂腺や唾液腺で作られ、毛づくろいで全身の毛に広がる。
Fel d 1は5マイクロメートル(0.005ミリメートル)未満の細かい粒子に付いて空気中に漂う。
Thermo Fisherの事典では、細かいので鼻の奥や気管支まで届きやすく、喘息にもつながりやすいとされている。
猫を飼っていない家でも、ほこり1グラムあたり8マイクログラムという感作(特定のアレルゲンに対するIgEという抗体ができること。症状が出ないこともある)の目安を超えるFel d 1が見つかることがある。服に付着して家の中へ運ばれることもある。
事典では、猫を手放しても症状が治まるまで数か月かかるとされている。
オスとメスでも差がある。
去勢するとFel d 1の産生が3〜5分の1に減ることから、男性ホルモンのテストステロンが関わっていると考えられている。
Thermo Fisherの事典では、「アレルギーの出にくい猫」は存在しない。性別・環境・品種・年齢に関係なく、生きている猫は全部Fel d 1を作る。
犬のCan f 1とCan f 5
WHO/IUISの登録には、犬のCan f 1からCan f 8まで8種類が登録されている。そのうちCan f 1・2・4・6はリポカリンに分類される。
Can f 1には犬アレルギーの人の約半数が反応する。
皮脂腺から分泌されて毛・フケ・唾液に付く。
Can f 5は2009年に見つかった、前立腺で作られる酵素だ。
Mattssonらの論文では、犬アレルギーの人37人のうち26人(70%)の血清がCan f 5に反応し、そのうち14人はCan f 1・2・3のどれにも反応しなかった。
前立腺で作られるのでオスの尿に出て、毛やフケにも付く。
事典によると、Can f 5だけに反応する人はメスや去勢したオスには反応しないことがある。
犬種による差も気になった。
Vredegoorらの2012年の研究では、「アレルギーが出にくい」と売られている犬種(ラブラドゥードル、プードル、スパニッシュウォータードッグ、エアデールテリア)と、そうでない犬種(ラブラドールレトリバーと対照群)で毛と家のほこりのCan f 1を比べた。
出にくいとされる犬種のほうが毛に付いているCan f 1がむしろ多く、家の空気中の量には犬種の差がなかった。
犬種ごとの差は、同じ犬種の中の個体差より小さかった。
Can f 1の量だけでは、特定の犬種を「アレルギーが出にくい」とは言えなかった。
猫は平気で犬だけ出る理屈
主な原因タンパク質が違うので、猫だけに感作されることも、犬だけに感作されることもあり得る。 猫で何ともなくても、Fel d 1に感作されているかどうかは症状だけでは判断できない。 犬で目がしょぼしょぼしても、それが犬のタンパク質によるものかは症状だけでは分からない。
猫と犬には似ているタンパク質もある。
犬のCan f 6と猫のFel d 4はどちらもリポカリンで、アミノ酸配列は67%一致する。2つのタンパク質は、IgEの反応を互いに阻害するほど交差反応する(Can f 6)。
Can f 1と猫のFel d 7も62%一致し、交差反応する可能性があると説明されている。
この交差反応が、猫と犬の両方に感作される人がいる理由の1つかもしれない。
猫で症状が出なくても、Fel d 4とCan f 6に感作されているかは症状だけでは判断できない。
自分の場合は犬で目がしょぼしょぼする程度で、それが犬の何のタンパク質なのかは調べていない。
ImmunoCAPの検査一覧には、Can f 1・2・3・5・6それぞれへの特異的IgEを測る血液検査が載っている。
検査値だけでは原因を特定できず、病歴や症状と合わせて医師が判断する。受けられる項目も国や検査機関で違う。
Can f 5だけに感作されている場合は、未去勢のオスとメス・去勢したオスで症状の出方が変わることがある。