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ConoHa VPS入門 - アカウント作成からDocker運用まで

ConoHa VPSは国内VPSの定番。日本語UIで、円建て決済、サポートも日本語で受けられる。Dockerテンプレートを選ぶだけでコンテナ環境が整うので、セットアップも楽。

海外VPSとの比較: なぜConoHa?

Dockerを使う観点で国内外のVPSを比較した。

Vultr: 海外VPS。Marketplace AppsからDockerを選べばすぐ使える。ただしドル建てなので為替リスクがある。UIは英語。

さくらのVPS: Docker Composeスタートアップスクリプトがあるが、Ubuntu/Debian限定。CentOSを使いたい場合は手動でセットアップが必要。

ConoHa VPS: サーバー作成時に「Docker」テンプレートを選ぶだけ。docker / docker-compose がプリインストールされた状態で起動する。

結論: 日本語環境で手軽にDockerを使いたいならConoHaが楽。海外VPSに抵抗がなければVultrも選択肢に入る。

料金プラン(2026年1月時点)

プランRAMCPUSSDまとめトク(1ヶ月)時間課金
512MB1コア30GB¥460-
1GB2コア100GB¥763約1.4円/時
2GB3コア100GB¥1,1333.7円/時
4GB4コア100GB¥2,1687.3円/時

重要: 512MBプランはDockerテンプレートが使えない。1GB以上を選ぶ必要がある。

転送量は全プラン無制限。Vultrは帯域制限があるので、トラフィックが多いならConoHaが有利。

「まとめトク」は長期契約で割引されるプラン。3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月…と契約期間が長いほど安くなる。時間課金は使った分だけ払う方式で、月額上限を超えることはない。

アカウント作成

  1. ConoHa公式サイトにアクセス
  2. 「お申し込み」をクリック
  3. メールアドレスとパスワードを入力
  4. 確認メールが届くのでリンクをクリック
  5. 本人確認(電話認証 or SMS認証)
  6. 支払い方法を登録

支払い方法はクレジットカード、ConoHaチャージ(プリペイド)、Amazon Payなどに対応。ConoHaカード(プリペイドカード)を使えばクレカなしでも利用できる。

VPSを立てる

  1. コントロールパネルにログイン
  2. 左メニューから「サーバー追加」
  3. サービス: 「VPS」を選択
  4. イメージタイプ: 「アプリケーション」→「Docker」を選択
  5. プラン: 1GB以上を選択(512MBはDocker不可)
  6. rootパスワードを設定
  7. オプション: SSH Keyを登録(推奨)
  8. 「追加」をクリック

数分でサーバーが起動する。ステータスが「稼働中」になったら準備完了。

SSH接続

パスワード接続

サーバー詳細画面でIPアドレスを確認して接続。

ssh root@<IPアドレ>

パスワードはサーバー作成時に設定したもの。

SSH鍵接続(推奨)

事前に鍵を生成してConoHaに登録しておく。

# 鍵を生成
ssh-keygen -t ed25519 -C "your_email@example.com"

# 公開鍵の中身を確認
cat ~/.ssh/id_ed25519.pub

ConoHaへの登録: コントロールパネル → セキュリティ → SSH Key → 「追加」で公開鍵を貼り付け。

サーバー作成時に登録したSSH Keyを選択すれば、パスワードなしで接続できる。

セキュリティグループ

ConoHa VPSはセキュリティグループ(仮想ファイアウォール)でポートを管理する。デフォルトではSSH(22番)のみ開放されている。

Webサーバーを公開する場合は、セキュリティグループで80番(HTTP)や443番(HTTPS)を開放する必要がある。

設定手順:

  1. コントロールパネル → ネットワーク → セキュリティグループ
  2. 「追加」でルールを作成
  3. 方向: 受信、プロトコル: TCP、ポート: 80(または443)
  4. サーバーにセキュリティグループを適用

ConoHa API

ConoHaには公式CLIツールがない。ただしREST API(OpenStack互換)が提供されているので、自動化したい場合はAPIを直接叩く。

APIトークンの取得

curl -X POST https://identity.tyo1.conoha.io/v2.0/tokens \
  -H "Content-Type: application/json" \
  -d '{
    "auth": {
      "passwordCredentials": {
        "username": "<APIユーザー名>",
        "password": "<APIパスワード>"
      },
      "tenantId": "<テナントID>"
    }
  }'

APIユーザーとテナントIDはコントロールパネル → API → API情報で確認できる。

レスポンスの access.token.id がトークン。以降のリクエストで X-Auth-Token ヘッダーに設定して使う。

サーバー一覧の取得

curl -X GET https://compute.tyo1.conoha.io/v2/<テナントID>/servers \
  -H "X-Auth-Token: <トークン>"

CLIがないのは不便だが、シェルスクリプトやTerraformで自動化する場合はAPIで十分。

Dockerを使う

Dockerテンプレートで作成したサーバーには、Docker CE(27.5.1)とdocker-composeがプリインストールされている。

動作確認

# Dockerの情報を確認
docker info

# hello-worldイメージを実行
docker run --rm hello-world

「Hello from Docker!」と表示されれば成功。

docker-composeでアプリをデプロイ

例として、Nginxを起動してみる。

# docker-compose.yml
services:
  web:
    image: nginx:alpine
    ports:
      - "80:80"
docker-compose up -d

セキュリティグループで80番ポートを開放していれば、ブラウザからアクセスできる。

ドメインとSSL証明書

Dockerでサービスを公開するなら、ドメイン設定とSSL証明書が必要になる。

DNS設定: 2つの選択肢

選択肢A: ConoHa DNSを使う

ConoHaにはDNS管理機能がある。コントロールパネル → ドメイン → DNS からドメインを追加し、AレコードにVPSのIPアドレスを設定する。

選択肢B: 外部DNSを使う

Cloudflare、お名前.com、ムームードメインなど、ドメインを買った場所のDNS管理画面でAレコードを設定してもOK。

SSL証明書: Let’s Encrypt + Certbot

無料のSSL証明書はLet’s Encryptで取得できる。Docker環境なら certbot/certbot イメージを使うのが楽。

前提条件: ドメインのDNS設定が完了していること(AレコードがVPSのIPを向いている)。

事前準備: セキュリティグループで443番ポートを開放しておく。

# certbotコンテナで証明書取得
docker run -it --rm \
  -v /etc/letsencrypt:/etc/letsencrypt \
  -v /var/www/html:/var/www/html \
  certbot/certbot certonly \
  --webroot \
  -w /var/www/html \
  -d example.com

証明書は /etc/letsencrypt/live/example.com/ に保存される。

証明書の自動更新

Let’s Encryptの有効期限は90日。cronで自動更新を設定しておく。

# /etc/cron.d/certbot-renew
0 3 * * * root docker run --rm -v /etc/letsencrypt:/etc/letsencrypt certbot/certbot renew --quiet

スケーリング

スケールアップ: 可能

サーバー詳細 → プラン変更 から上位プランに変更できる。

注意: サーバー停止が必要。短時間のダウンタイムが発生する。

スケールダウン: 可能

ここがVultrとの大きな違い。ConoHaはダウングレードをサポートしている。

Vultrは「ディスク縮小はデータ損失リスクがある」という理由でスケールダウンできない。ConoHaは100GB固定のSSDプランなので、この制約がない。

一時的にスペックを上げて、落ち着いたら戻す、という運用ができる。

注意点

  • 512MBプランはスケールアップ・ダウン不可
  • 停止中のみ変更可能
  • まとめトク適用時:
    • 上位変更 → 差額を支払い
    • 下位変更 → 差額の返金なし

料金の落とし穴

AIにAPIキーを渡すリスク

ConoHa APIはフルアクセス権限を持つ。サーバー作成、削除、ストレージ管理、DNS設定など、コントロールパネルでできることは全てAPIでもできる。

ただし、Vultrとの大きな違いがある。

項目ConoHaVultr
サーバー作成数上限あり(プランごと)上限なし
上限到達時申請フォームから追加申請そのまま作成可能
レート制限不明1秒30リクエスト

ConoHaはサーバー作成数に上限が設定されている。上限に達すると申請が必要で、申請しても却下されることがある。

つまり、AIツールにAPIキーを渡して暴走しても、上限で止まる。Vultrは上限がないので、クレカの限度額まで止まらない。

とはいえ、上限内でも意図しないサーバーが立つと課金されるので、AIにAPIキーを渡すのは推奨しない。どうしても渡す場合は:

  • サブユーザーを作成してロール(権限)を制限
  • 請求アラートを設定
  • 定期的にサーバー一覧を確認

まとめトクの罠

長期契約で月額が安くなるが、途中解約しても返金されない。

例: 12ヶ月契約で3ヶ月目に解約しても、残り9ヶ月分は返ってこない。

確実に使い続けるなら長期契約、試しに使うなら時間課金がおすすめ。

512MBプランの制約

最安の512MBプランには制限が多い。

  • Dockerテンプレートが使えない
  • スケールアップ・ダウンができない
  • 利用可能なイメージが限定される

Docker目的なら最低でも1GBプランを選ぶ必要がある。

時間課金の上限(これはメリット)

時間課金は「月額上限」が設定されている。どれだけ使っても月額料金を超えることはない。

例えば2GBプランで月末まで使い続けても、3.7円×24時間×31日 = 2,752円 ではなく、月額上限の2,033円で止まる。

ConoHa vs Vultr 比較

項目ConoHaVultr
言語日本語英語
通貨ドル
Docker導入テンプレートMarketplace App
スケールダウン可能不可
CLIなし(APIのみ)vultr-cli
最安プラン¥460/月(512MB)$2.50/月(IPv6のみ)
転送量無制限0.5TB〜

日本語環境と円建て決済を重視するならConoHa。CLIでの自動化や海外リージョンが必要ならVultr。

参考