AMD AI Developer Programの100ドル枠申請とDeveloper Cloudの注意点
目次
AMD AI Developer Programに参加すると、特典としてAMD Developer Cloudで使える 100ドル($100)分の無料クレジットを申請できる。
ローカルのAMD環境(Strix Halo搭載のEVO-X2)での推論検証に加えて、クラウド上のデータセンター向けGPU(AMD Instinct)も試したくて登録を進めた。
ただ、アカウントを作れば自動で残高が入るわけではなく、プログラム参加の手続きやCloud側への画面遷移が二段階になっていて、迷いやすい箇所がいくつかあった。
実際にどこで引っかかり、どう対処して100ドルのクレジットが付与されたことを確認するまで進めたのかを書き留めておく。
登録からクレジット付与確認までの全体フロー
全体の流れは以下のとおりだ。
アカウントを作成しただけで終わった気になりやすい点や、途中で届くメールの認証先が最初のつまずきやすい箇所だった。
flowchart TD
A["AI Developer ProgramトップでJoinを押す"] --> B["AMDアカウントを新規作成"]
B --> C["確認メールからアカウントを有効化"]
C --> D["再度Joinを押してプログラムへ加入"]
D --> E["プロファイル入力を完了(100pt獲得)"]
E --> F["Secure Siteにプログラム権限が追加"]
F --> G["My BenefitsでFree Cloud Creditを選択"]
G --> H["100ドルの無料クレジットを別途申請"]
H --> I["AMD Developer Cloudアカウントを有効化"]
I --> J["プログラムポータルのSign upからCloudへ遷移"]
J --> K["BillingのCreditsで100ドルの付与を確認"]
画面遷移と認証で注意が必要だった箇所
作業を進める中で、画面の分岐や挙動が直感と異なっていた箇所を整理しておく。
アカウント作成後に再参加が必要な点
アカウント作成とプログラム加入が自動で連動していなかった。
AI Developer Programのページから「Join」を押すと、まずAMD共通アカウントの作成画面へ移動した。
フォームを入力して確認メールのリンクを開くと、アカウント自体は有効化される。
しかし、この状態ではまだプログラム本体に参加できていなかった。
プロファイル管理画面の「Secure Site」を確認しても「No data available(データなし)」と表示され、プログラム会員の権限が付与されていない。
アカウント作成後に再度AI Developer Programのトップページへ戻り、もう一度「Join」を押すことで、初めてプログラム加入の処理が実行された。
ここでプロファイル入力を完了すると100pt(ポイント)が付与されるが、これはアカウントの完成度スコアであり、クラウドクレジットの $100 とは別物だ。
加入処理が完了すると、AMDアカウント側のSecure Site欄に「AMD AI Academy」「AMD AI Developer Program」「AMD Customer Training Center」の3項目が表示され、プログラム会員として認識された状態になった。
突然届くDigitalOceanのメールと認証のループ
AMD Developer Cloudの登録を進めた後、メールボックスを確認すると、DigitalOceanから「Welcome You’re signed up! Let’s activate your account」というメールが届いていた。
実際には9月18日に届いていたメールだったが、Activateの案内を探して検索するまで見落としていた。
DigitalOceanに直接登録した覚えはないものの、クラウドのインフラ基盤かもしれないと考えてメール内の「Activate your account」を開いた。
ところが、遷移先は通常のDigitalOceanのログイン画面だった。
画面上にはAMDアカウントでログインするボタンが存在しない。
Googleアカウントでのログインを試すと、「An account with this Google sign in was not found.」とエラーが出た。
DigitalOcean用のパスワードを設定した記憶もないため、「Forgot Password」にメールアドレスを入力して再設定リンクを発行した。
届いたリンクを開くと、「Your AMD Developer Cloud account uses AMD to sign in. Try signing in again with AMD at devcloud.amd.com/login」という案内が表示された。
DigitalOcean側ではAMD認証用のアカウントだと認識されている一方、案内メールのリンク先は通常のDigitalOceanログイン画面になっていた。
このため、メールから進むと正しい認証方法にたどり着けなかった。
AMD Developer Cloudは、通常のDigitalOceanログイン画面ではなく、devcloud.amd.com からAMD Sign-inで入る必要がある。
Developer Cloud有効化後も「Sign up」ボタンから入る
プログラム加入が完了すると、マイページの「My Benefits(特典)」に利用可能な項目が表示された。
ここで「Free Cloud Credit(100ドル分のAMD Developer Cloudクレジット)」を選んで申請フォームを送信した。
完了画面には3営業日以内に案内を送る旨が示されていた。
並行して、AMDから送られてきたDeveloper Cloudの案内メールからアカウントを有効化した。
ここが分かりにくかった点で、すでに有効化を完了したアカウントであっても、プログラムポータル側からDeveloper Cloudのダッシュボードへ移動するには「Sign up(登録)」と書かれたリンクを押す必要があった。
「すでに有効化を完了したからログインボタンを探そう」と考えていると、入り口が見当たらない状態に陥りやすい。
右上の人型アイコンは共通アカウント設定へ遷移する
Developer Cloudの操作画面に入った後、クレジット残高や請求画面(Billing / Credits)を確認しようとして画面右上の人型アイコンを押した。
ところが、開いたのはDeveloper Cloudのアカウント設定ではなく、AMD全体の共通プロファイルページだった。
シングルサインオン(SSO)の仕組み上、右上のアイコンはAMD共通アカウントの管理画面へのリンクになっている。
Developer Cloud側の残高や利用状況を確認したい場合は、右上のアイコンではなく、Cloudサービス内の左側メニューやダッシュボード側から確認する形だった。
クレジットの付与確認と利用可能になった特典
Billingが$0でも、Creditsを確認する
Developer Cloudにログインした直後、Billing画面では「$0.00」という表示がまず目に入った。
一見するとまだ付与されていないように思えるが、Billing画面内の「Credits」タブを開くと、以下のとおり 100ドル分が付与されていた。
- Available Credits: $100.00
- Description: AMD Developer Cloud
- Initial: $100.00
- Amount Remaining: $100.00
- Expiration: October 19, 2026
通常のアカウント残高として数字が入るのではなく、利用料金に対して適用されるプロモーションクレジットとして管理されているため、残高欄だけを見ていると付与されていないと誤認しやすい。
実際にGPU Droplet作成画面を開くと、「Credits applicable / You have $100.00 credit expiring in 30 days.」と表示され、インスタンス作成時に適用されることが確認できた。
今回の手続きで利用可能になった特典は以下のとおりだ。
| 特典名 | 内容 | 状態 |
|---|---|---|
| Free Cloud Credit | AMD Developer Cloudの $100 分クレジット | 付与済み($100.00) |
| Private Discord | 開発者向けDiscordサーバーへの参加権 | 有効化済み |
| DeepLearning.AI | 1か月間の無料受講アクセス | 有効化済み |
| Event / Newsletter | イベント優先登録・ニュースレター配信 | 有効化済み |
なお、特典一覧にある「Monthly Sweepstakes(月次抽選)」は規約上、米国およびカナダの居住者限定となっており、日本からの参加は対象外だ。
今回迷った箇所は、どれも「似ているが別のもの」だった。
プロファイルの100ptと100ドル、AMDアカウントとDeveloper Programへの参加、DigitalOcean上のアカウントとDigitalOceanのログイン、Billingの残高とCredits。
それぞれの違いが分かってしまえば難しくないが、初回登録時には区別がつきにくかった。
100ドルのクレジット付与とGPU Dropletへの適用まで確認できた。
記事執筆時点の作成画面ではMI300X 192GBの1GPU構成が $1.99/GPU/hour となっており、単純計算ならクレジットだけで約50時間利用できる。
せっかくなので、普段のローカルROCm環境では難しい検証に使ってみたい。