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Google検索の4月末変動とSearch ConsoleやGA4の遅れ

いけさん目次

Google検索の4月末の揺れは、公式に新しいコアアップデートとして出ているものではない。
Search Engine Roundtable は4月27日から28日にかけて順位変動の熱が上がったと報じているが、記事内でも「Googleに確認されないことがほとんど」と扱っている。

Google Search Status Dashboard 上では、直近の大きな順位系イベントは March 2026 core update だ。
これは米太平洋時間で2026年3月27日 02:00に始まり、2026年4月8日 06:00に終了した。
同じダッシュボードには March 2026 spam update も載っていて、こちらは2026年3月24日 12:00から3月25日 07:30までの短いロールアウトだった。

だから、4月27日から28日の変動を見て「4月8日に終わったコアアップデートがまだ続いている」と読むのは雑だと思う。
公式には終わっている。
その後の検索結果が動いているなら、未確認のランキング変動、通常の再評価、個別サイト側の変化、計測側の遅れを分けて見るほうがまだ現実に近い。

さちこが最新日付に追いついていない件も、順位変動そのものとは別の層で見る。
Search Console の Performance report は、通常でも収集済みデータが見えるまで2日から3日かかる。
さらに最新データは preliminary data として扱われ、今日や昨日の数字は後から変わる。
Search Console の日別データは、24時間表示を除いて太平洋時間で区切られるので、JST の感覚より1日ずれて見えることもある。

GA4 も同じノリで、通常レポートはリアルタイムではない。
このサイトでは以前 AstroサイトにGoogle Analytics (GA4) をPartytownで導入する で GA4 の埋め込みだけを書いたが、集計を見る側ではまた別の待ち時間がある。
Google のヘルプでは、標準プロパティの intraday は2時間から6時間、daily は12時間以上、処理全体では24時間から48時間かかることがあると説明されている。
その間はレポートの数字が変わる。

Search Console と GA4 の両方で最新日付が欠けると、検索側が壊れているように見える。
でも、GSC は検索結果上のクリックや表示回数、GA4 はサイト上で計測できたイベントを見る。
同じ日付を見ていても、タイムゾーン、JavaScript 実行、同意管理、ボット除外、匿名化クエリ、canonical URL への集約で数字は揃わない。

4月末の変動を追うなら、まず4月8日までの core update 期間と、4月27日から28日の未確認変動を同じグラフ上で混ぜない。
Search Console は最新2日をいったん薄く見る。
GA4 はリアルタイムや直近数時間の数字を、日次レポートの確定値として扱わない。
これだけでも「検索が落ちた」のか「レポートがまだ追いついていない」のかを切り分けやすくなる。

Search Console APIで見るときの罠

Search Console API を使って日別に取る場合も、UI と同じ制約を受ける。
Google の API ドキュメントは、Search Console の内部制限により全行を返す保証はなく、上位行を返すと説明している。
日付 dimension でクエリすると、データがない日は結果から省かれる。

つまり、最新日付の行がないことは、その日の検索流入がゼロだった証明にはならない。
単にまだ出ていない、preliminary data の範囲にいる、フィルタや dimension の切り方で落ちている、というほうがよくある。
見るなら、まずフィルタなしで date だけを取り、どの日付まで Search Console が返しているかを確認する。

結局なにが順位を動かしたのか

十中八九、3月のコアアップデート後の再評価が遅れて到達した。

コアアップデートの「ロールアウト完了」は、新しいランキング基準が全データセンターに行き渡ったという意味だ。
すべてのページが新基準で再評価されたという意味ではない。
ロールアウトが終わった後、Googlebot が各サイトを改めてクロールして、ページごとに新基準でスコアをつけ直す。
クロール頻度が低いサイトや更新の少ないサイトほど、この再評価の到達が遅い。
結果として、ロールアウト完了から2〜4週間後に順位がまとめて動くことは珍しくない。

4月27日はコアアプデ終了の約3週間後。
コアアプデ直後に「うちは影響なかった」と思っていたサイトが3週間後に急に順位が変わる、典型的なパターンだ。
Search Engine Roundtable が拾った変動の熱量とも時期が合う。

名前のつかない小規模調整が重なった可能性もゼロではないが、コアアプデ後3週間というタイミングで説明がつく以上、わざわざ別の原因を探す必要はないと思う。

このサイトのGA4イベント計測で起きたこと

GA4の集計遅延とは別の話だが、このサイトで実際にハマったので書いておく。

GA4をPartytownで導入した記事で書いた方法でGA4を入れていたが、内部リンクのクリックをイベントとして計測できていなかった。
GA4のドキュメント通りにリンクイベントを設定していたのに数字が出ない。
原因を追っていった結果、GA4のスクリプトを直接埋め込む形に変えたらイベントが取れるようになった。
Partytownはメインスレッドの外でスクリプトを実行するので、Astroのクライアントサイドナビゲーションとの組み合わせでイベント発火が抜けるケースがある。

もうひとつ気づいたのが、GA4のエンゲージメント時間だけでは「読まれているのか放置されているのか」が区別できないことだ。
GA4のengaged sessionsは、ページがフォアグラウンドに10秒以上あれば「エンゲージメントあり」と判定する。
タブを開いたまま飯を食いに行っても、フォアグラウンドにあればカウントされる。
滞在時間が長い=ちゃんと読まれている、とは言えない。

スクロールイベントを入れて、ページのどこまでユーザーが到達したかを見ないと読了率はわからない。
GA4のenhanced measurement(拡張計測)にスクロールイベントはあるが、デフォルトだとページの90%到達時にしか発火しない。
途中離脱を拾うなら、25%・50%・75%あたりでカスタムイベントを仕込むか、Google Tag Managerでスクロール距離トリガーを設定する。

GA4に言語をカスタムで送っている

このサイトは日本語と英語の二言語で記事を出している。
どっちがどれくらい見られているかを知りたいので、GA4にカスタムディメンションとして言語を送っている。

GA4の探索レポートでパス別に引っ張ることもできるが、パス構造が変わった瞬間に一貫性が取れなくなる。
カスタムディメンションで送っておけば、URLの設計がどう変わっても「日本語と英語、どっちを見ている?」は常にわかる。

AdSenseタグをheadに入れていない

計測まわりに関連して、表示速度の観点からAdSenseの自動広告タグをheadに入れていない。
広告は個別の埋め込みで対応している。

自動広告調整が入ると、全画面広告が挟まったり、本文中に広告が自動挿入されたりする。
自分がブログ読んでてそれやられたらブチギレる側なので、自分のサイトでやるわけにはいかない。

ブログの運営費はなんとか賄いたい。
でもそのためにUXを捨てるのは本末転倒だと思っている。
広告だらけのサイトが多いからこそ、うちは広告運用を最小限にしているのに、同じことやったら意味がない。

ちょっとでも同じ気持ちを抱いたら、広告をチェックするか、投げ銭ください(笑)

うちのサチコは4月20日で止まっていた

この記事を書き始めた時点で、Search Consoleのパフォーマンスデータが4月20日で止まっていた。
今はちょっと動いて24日まで来ている。

インデックス登録のステータスもおかしかった。
URL検査で「見つかりませんでした」や「登録されていません」と出ていたURLが、時間が経ったら普通にインデックス登録済みに変わっている。
インデックスから外れたわけではなく、ステータス表示が追いついていなかっただけだ。

コアアップデート直後の数字は過大に出る

コアアップデートの影響を測るとき、直後の数字を額面通りに受け取ると実態より大きく見える。

ロールアウト期間中はデータセンターごとに新旧のランキング基準が混在している。
同じクエリでも、どのデータセンターに当たるかで順位が違う。
Search Consoleはこの混在状態をそのまま集計するから、日によって数字が大きく振れる。
振れ幅の大きい日だけ切り出して「何割落ちた」と言っても、それは確定値ではない。

Speeeのコアアップデート解説記事でも、ロールアウト中はパニックにならず2〜3週間待てと書いている。
Googleも以前は「次のコアアップデートまで回復を待つ必要がある」としていたが、2025年のドキュメント更新で、継続的な小規模アップデートによる回復もありうると改めた。
一度のコアアプデで落ちたからといって半年待つしかない、という時代ではなくなっている。

Search ConsoleのPreliminary dataが確定値に変わるタイミングでも数字は動く。
ロールアウト中の揺れ、Preliminary dataの補正、GA4の集計遅延が重なると、最初の1週間の数字は実態の2〜3倍揺れて見えることがある。
「急落した」と思って2週間後に見直したら半分くらい戻っていた、という報告はコアアプデのたびに出てくる。

うちは上がった

ちなみにこのサイトは、March 2026 core updateの再評価が到達した後、数値的にはむしろ上がった。

理由はよくわからない。
コアアップデートはゼロサムで、誰かが下がれば誰かが上がる。
同ジャンルの競合が下がった分だけうちに来た、という程度の話だと思う。
E-E-A-Tの厳格化で一次情報や実体験ベースのコンテンツが優遇される傾向が強まっているらしい。
個人ブログで実際に手を動かした記録を書いているのが効いた可能性はある。
ただこの手の後付け解釈はいくらでもできるので、あまり真に受けないほうがいい。

上がったサイトは「自分はセーフだった」で終わりがちだが、次のコアアプデで逆転することは普通にある。
今回たまたまプラスだったことに意味はない。

December 2025からの流れ

March 2026は前四半期のDecember 2025 core update(12月11日〜29日、18日間)の延長線上にある。

Speeeの解説によると、December 2025ではE-E-A-T評価で鮮度・最新性の重みが増した。
さらに個別ページの品質だけでなく、サイト全体のトピック一貫性を見る方向に振れている。
雑多なジャンルを1サイトに詰め込むより、特定領域に絞ったサイトのほうが評価されやすい。
検索結果の多様性も「情報源の数」から「視点の違い」に定義し直された。
同じファクトを焼き直した記事が10本並ぶより、異なる切り口の記事が3本並ぶほうがGoogleにとっては「多様」になる。

March 2026はこの路線をさらに進めた形で、四半期ごとに方向が強化されている。
コアアプデ1回分の結果だけ見て対策を練っても、次の四半期で基準が動けば振り出しに戻る。

GA4の「(not set)」が異様に多かった

アップデートの集計がまだ混乱していそうなのは、GA4の各種ディメンションで「(not set)」が異様に多かったことからも推測できる。
これが徐々に減っていっているので、計測の取りこぼしだった可能性が高い。
うちの場合、「(not set)」が減るにつれて他のディメンション値が増えているので、本来は別の値として記録されるはずだったのに取れていなかった、という状況だったのだろう。

参考