Adjust管理画面とGoogle Play Console開発者登録:同時進行セットアップ記録
Flutterアプリに広告計測(Adjust)とGoogle Play課金を実装するにあたり、まず管理画面側のセットアップが必要になる。SDK導入の前段階として、AdjustとGoogle Play Consoleの設定を同時進行で行った記録。
関連記事(SDK実装編):
Adjust管理画面でのアプリ作成
新規アプリの登録
Adjust管理画面(dash.adjust.com)にログインし、新規アプリを作成する。
- 「AppView」→「アプリを追加」
- アプリ名を入力(今回はテスト用なので適当な名前で)
- プラットフォームを選択(Android / iOS / 両方)
アプリトークンの発行
アプリ作成が完了すると、アプリトークンが発行される。これがSDK初期化時に必要になる重要な値。
アプリトークン: xxxxxxxxxxxx(12文字の英数字)
このトークンは後でFlutterのコードに設定する。
基本設定
アプリ作成時に以下の設定を行った:
| 項目 | 設定値 | 備考 |
|---|---|---|
| レポート通貨 | JPY | 日本円で収益を表示 |
| COPPA | 無効化 | 子供向けアプリでないため |
| 欧州経済領域外 | 有効 | EEA外からのトラフィックを計測 |
COPPA(Children’s Online Privacy Protection Act): 米国の児童オンラインプライバシー保護法。13歳未満の子供を対象としたアプリの場合は有効にする必要がある。
欧州経済領域(EEA)設定: GDPRの関係で、EEA内のユーザーには同意取得が必要。EEA外を有効にすると、EEA外のユーザーからのデータを制限なく収集できる。
プラットフォーム設定
アプリ作成後、プラットフォーム(Android / iOS)ごとにパッケージ名を設定する。
アプリ設定 → プラットフォーム → Android
| 項目 | 入力内容 |
|---|---|
| パッケージ名 | com.example.yourapp(AndroidManifest.xmlと同じ) |
| Google Play Store URL | 空欄でOK(公開前は設定不要) |
この設定により、Google Play ConsoleとAdjustが紐づく。
イベントトークンの作成(任意)
イベント計測を行う場合は、この段階でイベントトークンも作成しておく。
設定 → イベント → 新規イベント作成
今回作成したイベント:
| イベント名 | ユニーク | 用途 |
|---|---|---|
| 登録 | ON | 会員登録完了 |
| 商品購入その1 | OFF | 課金(商品1) |
| 商品購入その2 | OFF | 課金(商品2) |
| 商品購入その3 | OFF | 課金(商品3) |
イベント追加後、自動でイベントトークンが発行される。このトークンをSDK側で使用する。
イベント設定のポイント
ユニークイベント
「ユニークイベントとして設定」にチェックを入れると、1デバイスにつき1回だけ記録される。
| イベント | ユニーク設定 | 理由 |
|---|---|---|
| 登録 | ON | 1ユーザー1回のアクション |
| 課金 | OFF | 何度でも発生する |
万が一SDK側で重複送信されても、Adjust側で1回としてカウントしてくれる保険になる。
イベントルール
イベント追加時に「フロー確認」「ソース確認」「収益確認」のStatus設定がある。
| Status | 意味 |
|---|---|
| Off | ルール無効 |
| 公開 | 本番適用 |
| テスト | 検証するがレポートに反映しない |
| 一時停止 | 一時的に停止 |
各ルールの役割:
| ルール | 機能 | 備考 |
|---|---|---|
| フロー確認 | イベントの順序や条件を検証 | 有料プラン |
| ソース確認 | 送信元を検証(不正防止) | 無料で使える |
| 収益確認 | 収益イベントの金額検証 | 有料プラン |
テスト段階では全部Offでいい。まずイベント計測が動くことを確認してから、必要に応じて有効化する。
Google Play Console開発者登録
アカウント作成と支払い
Google Play Consoleの開発者アカウントは**登録料$25(一度きり)**が必要。
- Google Play Consoleにアクセス
- Googleアカウントでログイン
- 開発者登録に進む
- 登録料$25を支払い
本人確認
開発者登録には本人確認が必要。2段階で行われる。
1. 本人認証(身分証明)
以下のいずれかで確認:
- マイナンバーカード ✅
- 運転免許証
- パスポート
マイナンバーカードでサクッと通った。
2. 住所確認
ここが面倒だった。以下のいずれかで住所を証明する必要がある:
- 運転免許証
- 銀行口座の明細書
- スマホの利用明細書
- 公共料金の請求書
問題: 今どき紙の明細なんてない。銀行もスマホもWeb確認が当たり前。
解決策: 新生銀行のオンライン明細をPDFでダウンロードしたら、住所が記載されていた。これで通った。
認証の所要時間
「1〜3営業日かかります」と表示されていたが、実際は10数時間で完了した。
申請 → 約12時間後 → 認証完了メール受信
思ったより早かった。
認証完了後
認証が通ると、Google Play Consoleの全機能が使えるようになる:
- アプリの公開
- 課金アイテムの登録
- ライセンステスターの設定
- Google Play Billing の利用
スマホアプリでの追加認証
認証完了後、AndroidスマホでGoogle Play Consoleアプリをインストールし、同じアカウントでログイン。電話番号認証を完了させる。
Google Play Consoleでのアプリ作成
新規アプリの作成
- Google Play Consoleにログイン
- 「アプリを作成」をクリック
- 以下を入力:
| 項目 | 設定値 |
|---|---|
| アプリ名 | テスト用の名前でOK |
| デフォルトの言語 | 日本語 |
| アプリ / ゲーム | アプリ |
| 無料 / 有料 | 無料(アプリ内課金なら無料でOK) |
内部テストの設定
課金テストには「内部テスト」を使う。審査不要で最大100人までテスト配信できる。
テストとリリース → テスト → 内部テスト → 始める → 新しいリリースを作成
AABファイルのアップロード
内部テストリリース作成画面で、App Bundle(AAB)をアップロードする。
Flutterでのビルド方法:
flutter build appbundle --release
生成されるファイル:
build/app/outputs/bundle/release/app-release.aab
このファイルを「App Bundle」エリアにドラッグ&ドロップ。
重要: 課金アイテムを登録するには、最低1回はAABをアップロードする必要がある。
リリースの詳細
| 項目 | 入力内容 |
|---|---|
| リリース名 | 自動入力される(編集可) |
| リリースノート | テスト用なので適当でOK |
アップロード時の警告
アップロード後、以下の警告が出ることがあるが、内部テストでは無視してOK:
| 警告 | 意味 | 対応 |
|---|---|---|
| テスターを指定していない | 後で設定する | 公開後に追加 |
| デバッグシンボル未アップロード | クラッシュ解析用 | 内部テストでは不要 |
警告があっても「保存して公開」で問題ない。
公開後の状態
公開すると「内部テスト」画面に以下が表示される:
- 一時的なアプリ名:
com.example.app (unreviewed) - ステータス: 内部テスターに公開
- 未審査状態(内部テストは審査不要)
テスターの設定
内部テストページで「テスター数」タブをクリックし、テスターを追加する。
- 「メーリングリストの作成」をクリック
- リスト名を入力(例:
テスター) - テスト用Googleアカウントのメールアドレスを追加
- 保存
作成したリストにチェックを入れて保存すると、そのアカウントでアプリをダウンロードできるようになる。
「リンクをコピー」でテスト参加URLを取得し、スマホでアクセスするとGoogle Playからダウンロード可能。
課金アイテムの登録
AABアップロード後、課金アイテムを登録できるようになる。
販売アカウントの設定
初回は「Google Playで収益化する」から販売アカウント(お支払いプロファイル)を設定する必要がある。
| 項目 | 入力内容 |
|---|---|
| 企業/組織名 | 個人なら自分の名前 |
| 販売する商品やサービス | コンピューターソフトウェア |
| カスタマーサポートのメール | 連絡先メールアドレス |
| クレジットカード明細書の名前 | ユーザーの明細に表示される名前 |
1回限りのアイテムを作成
Google Playで収益化する → 商品 → 1回限りのアイテム → 1回限りのアイテムを作成
| 項目 | 入力例 | 備考 |
|---|---|---|
| 購入オプションID | item001 | 英小文字で始める。アンダースコア不可 |
| 購入の種類 | 購入 | そのままでOK |
| タグ | 空欄 | 任意 |
価格は「Set prices」から設定。日本円で¥100など適当な金額を入れる。
注意: 複製機能はないので、複数アイテムは1つずつ手動で作成する。
今回作成したアイテム:
| アイテムID | 名前 | 価格 |
|---|---|---|
item001 | テスト商品1 | ¥100 |
item002 | テスト商品2 | ¥500 |
item003 | テスト商品3 | ¥1000 |
ライセンステスターの追加
テスト購入するGoogleアカウントを登録する。これを設定しないとテスト購入でも実際に課金されるので注意。
重要: ライセンステストはアプリ個別の設定ではなく、Google Play Console全体の設定。
← すべてのアプリ(左上)→ ホームに戻る → 設定 → ライセンステスト
ここにテスト用のGoogleアカウント(テストするスマホのアカウント)を追加すると、課金しても実際には請求されなくなる。
内部テスト用に作ったメーリングリストを選択して保存すればOK。
管理画面セットアップ完了
ここまでで、AdjustとGoogle Play Console両方の管理画面設定が完了。
| サービス | 完了した設定 |
|---|---|
| Adjust | アプリ作成、イベントトークン発行、パッケージ名設定 |
| Google Play Console | 内部テスト公開、課金アイテム登録、ライセンステスター設定 |
まとめ
| サービス | 作業内容 | 所要時間 |
|---|---|---|
| Adjust | アプリ作成・トークン発行・イベント設定 | 数分 |
| Google Play Console | 開発者登録・本人確認 | 申請後12時間程度 |
| Google Play Console | アプリ作成・内部テスト・課金アイテム | 30分程度 |
Adjustは即座に使い始められる。Google Play Consoleは本人確認に時間がかかるので、先に申請しておくとスムーズ。
住所確認で困ったら、オンラインバンキングの明細PDFを試してみるといい。意外と住所が載っている。
SDK実装については関連記事を参照: